2017-01-01から1年間の記事一覧

宗教学の名著30

島薗進(ちくま新書2008) 空海「三教指帰」 イブン=ハルドゥーン「歴史序説」 富永仲基「翁の文」 ヒューム「宗教の自然史」 ラブジョイ「存在の大いなる連鎖」 カント「たんなる理性の限界内の宗教」 シュライエルマッハー「宗教論」 ニーチェ「道徳の系譜…

夢のリアリズム

高橋英夫『神を見る 神話論集1』吾々は吾々の生涯で他の時代の千年以上を経験した。喜ぶべき事か悲しむべき事かは知らないが、興味ある事だ。せめてさう思はう。 全く風のない静な夜、二時半、皆寝静まつて、自分だけが覚めてゐる。ねそびれて床に寝ながら覚…

子規の輪郭

松山に旅行したので、子規への関心がよみがえっている。日記にしろ随筆にしろ、それほど読みこんだわけではないし、肝心の句や歌となるとほとんど。それでも年来いつもどこかで気にかけているのは、居士の人間としての魅力によるものか。じぶんに似ているよ…

無教養であるよりも、むしろ乞食である方がよい

『田中美知太郎全集 6』「ヒューマニズム再説」(1948年)しかしいかなる対立と闘争においても、盲目的な憎悪に支配されて、相手の人間性を見失うことは、つねに戒心されなければならぬ。最後の場合には、いつでも人間性が回復され、たがいに話し合い、了解…

イスラームについて思索する人

ブ曳舟明治通り店松本健一『大川周明』360円 井筒俊彦『東洋哲学覚書 意識の形而上学 「大乗起信論」の哲学』510円現代文庫が360円?値札のつけ間違いだとしても買うほうには儲けものだったこの2冊、同じ方の蔵書だったのではあるまいか