コレクションのオートマティズム/丸山健二

週刊文春」11/9号、鹿島茂の「私の読書日記」で紹介された、
小山ブリジット「夢見た日本 エドモン・ド・ゴンクール林忠正」(平凡社)に以下の言葉が。
ゴンクールが死に際して自身のコレクションに附した遺志「私は、これらの一切が競売吏の小槌とともに売り払われるよう望む。そしてその一つ一つを手に入れたときの私の喜びが、また再び、私の趣味を引き継いでくれるそれぞれの相続人に味わわれるよう望んでやまない。」(高頭麻子。三宅京子訳)
鹿島氏いわく「ゴンクールはコレクターの仁義を守ったのである。」
同じ頁にはまた次の言葉も。
「コレクションというのは不思議なものである。コレクターがある明確な意思をもってアイテムを集めるのではない。むしろ、アイテムが一定の量を超えると、自動的にコレクションが『始まってしまう』のだ。」
これこそ「コレクションのオートマティズム」であると、森有礼の名刺判写真のコレクションについて触れながら言う。
蒐集という行為を突き動かす業のようなものを、別の言葉でいうと「オートマティズム」になる。
犬塚孝明・石黒敬章「明治の若き群像 森有礼旧蔵アルバム」(平凡社)
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文春の別の記事で、丸山健二という小説家に興味をもった。

落雷の旅路

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