たからのくら
伊藤松宇編「寶藏」を1000円で落札。
昭和7年刊行とは思えない美本。
編者の解題によると
「(略)文房具を始として、家具、日用品等まで、諸般の器物を主題として文章とし、各章の末毎に俳句と狂詩とを附して一篇となせるものにて(略)」。
これぞ珍本というべきか。暇にも程がある。
図書館から借りた「人と蔵書と蔵書印」に、伊藤松宇の経歴が見える。
銀行家であり、古俳書の蒐集家でもあった。
引退後、関口芭蕉庵に住して芭蕉の研究・校訂などに日を暮らしたとか。
この一冊も蔵書のなかから復刻したものだったのかもしれない。
神楽坂に住んでいた時も、高田に越してからも散歩や通勤のコースとして芭蕉庵の脇を通ることが多かったので、とても親しみ深い。